RPA人材 育成プラン

呉島 進 | November 06, 2021 · 4 作成

RPA

RPAを使った自動化には、特に適している業務と、あまり適さない業務があります。繰り返し行う業務(反復)や、ルールに基づいて処理できる業務(単純)はRPAを使った自動化に最も適している業務と言えます。では、どのような動作をルールに基づいて繰り返すことが、RPAに適しているのでしょうか?

人間が日々行っている業務のプロセスは、細かい作業の組み合わせですが、システムにデータを入力したり、データを加工して送付するといった作業に分解してロボットに指示することで、それぞれを自動で実行することができるようになります。

人間がコンピューターの画面上で行う操作のなかで、特にロボットが得意とする代表的な処理の例には「入力」「転記」「照合」「モニタリング」「送付」「集約・加工」の6つが挙げられます。

いま日本でRPAが注目されている背景とは?

日本において特にRPAが注目されている背景には、様々な社会課題があります。日本の抱える社会課題を解決するソリューションとして、RPAの導入を進める企業が増えています。

1. 生産年齢人口の減少による人材不足

少子高齢化の進行により、日本の生産年齢人口(労働力としての中核をなす15~64歳)は、1995年をピークに減少傾向にあり、今後も減少傾向は続く見込みとなっています。また、生産年齢人口は7318万429人と依然として全体の6割を割りこんでいます。企業や組織にとっては人材確保が課題となり、その解決策としてRPAを導入し活用する企業が増えています。

2. 労働生産性の低迷

日本の一人あたり労働生産性は1994年以降、20年以上にわたりG7(先進7カ国)では最下位になっており、2010年代後半の実質労働生産性上昇率においては-0.3%とG7では唯一マイナスになっています。生産年齢人口の減少にともない労働生産性の向上が急務になりますが、RPAのロボットが定型業務を担い、人間が高付加価値業務にシフトすることで、労働生産性の迅速な向上が期待できます。

3. 高まるDXの重要性とDX人材不足

人材不足や労働生産性の低迷など社会課題を解決しつつ、企業や組織の国際的な競争力を高めていくには、DXの推進が不可欠です。日本と米国のDXの取り組みを比較すると、「DXに取り組んでいない」企業は日本33.9%、米国14.1%と大きな差が出ており、変革を担う人材の量が不足していると回答した企業が日本では76.0%、米国では43.1%と、人材不足が日本のDX推進において大きな課題であることがわかります。RPAの開発者を増やすことで、DXを担う人材を育成し、取り組みを推進していくことが可能になります。

AIと RPAの組み合わせでさらに高度な自動化も

進化を続けるRPAツールでは、AI(人工知能)とRPAを組み合わせることで、単純作業だけでなく、更に高度な自動化を実現できるものも増えています。

たとえば、過去のパターンからAIが人間に提案し、人間が判断した結果に応じて自動処理するような機能や、AI-OCRと組み合わせて、紙で届いた帳票類をデータ化し、会計システムで自動処理するといった自動化の実装が可能になっています。

また、RPAを導入する際のハードルとして、どのような業務を自動化していいかわからないといった声が挙げられますが、社内の業務全般をAIが分析し、自動化の効果が高い業務を提案するといったソリューションも出てきており、自動化によって効果を生み出すことがさらに容易になっています。

Written by

Kureshima Susumu

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